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用法用量にご注意ください「グラフィックレコーディングが逆効果なケース」

May 15, 2017

会議や対話の場、イベント、テレビや本。

様々な場でグラフィックレコーディングを目にする機会が増えてきました。

「グラフィックを用いて新たなつながりをつくっていこう!」と考えている私達BRUSH一同、とても嬉しく感じています。

 

同時に、試行錯誤を繰り返してきた中で、グラフィックレコーディングの実施が逆効果となる状況があるというのも感じています。
逆効果になりそうな場合、依頼してくださる方のためにも、依頼をお断りしています。

 

今回は、そんなグラフィックレコーディングが逆効果なケースを解説します。

グラフィックレコーディングが逆効果となるケースは、以下の4点があげられます。

 

・ケース1:厳密な正確性が問われる場合

・ケース2:同じ専門領域の人が、専門領域についてコミュニケーションを行う場合

・ケース3:参加型のプロセスを装い、参加者を決まった結論へ誘導したい場合

・ケース4:グラフィック導入の目的が明確ではない場合

 

 

ケース1:厳密な正確性が問われる場合

 

 



数字や、文言一言一句の正確性が問われる場合、グラフィックを用いた記録は向いているとはいえません。

グラフィックレコーダーがグラフィックを描く際は『主観』が入ってしまうからです。

 

実は、グラフィックレコーダーは、話す人の言葉を一言一句そのまま描くのではありません。

ある程度の要約をしたり、大事なところとそうではないところの強弱をつけたり、時には『言葉になっていない』部分も感じて表現したり。

グラフィックレコーダーの主観が入る余地があるからこそ、全体の中での一覧性・情報の強弱がついて見やすく、見ている人の共感を生むグラフィックとなるのです。

 

主観を極力排除したほうがよい記録としては、例えば以下があげられます。

・数字一つ一つの正しさが問われる記録(例:事業のKGI・KPIを共有する会議)

・一言一句そのまますべてが掲載することが価値となる記録(例:インタビューや会議のテープ起こしなど)

 

このような正確性が問われる場においては、内容の大筋をグラフィックレコーディングで記録し、正確性を担保するために文章や数字の記録を用いるなど、目的に応じた手法を併用するのがおすすめです。

手法のもつ強み/弱みを使い分けることで、よりコミュニケーションを促し、かつ活用しやすい記録を残すことができます。

 

 

 

ケース2:同じ専門領域の人が、専門領域についてコミュニケーションを行う場合

 

 

 

専門的な知識や習熟が同じ水準の参加者同士で話すときには、グラフィックレコーディングは有用ではないと私たちは考えています。

専門家同士なら、定義・利用文脈・前提となる知識など、多くの情報を含んだ専門用語を用いたほうが、コミュニケーションが円滑かつ正確に進むのです。

 

例えば、同じ研究を長年実践している先生方の集まりでグラフィックレコーディングを実施した時。

「なぜ、あえてあいまいな言語(=グラフィック)でコミュニケーションを行う必要があるのか?」
「あえてあいまいに、わかりやすく学生に伝える必要があるのか?難解でも、専門用語を学び、理解し、使うべきではないのか?」

というご質問をいただきました。

共通の専門的な知識の土台があることを前提として「研究を深めるためや、短時間で正確な情報を伝達したい場合には、専門用語こそが利用しやすい共通言語なのだ!」と私たちがあらためて気づいた瞬間でした。

 

多様な参加者同士がいる議論や対話の場では、グラフィックレコーディングを用いることで『わかりやすく・目に見える形で』表現し、言語・背景・知識の壁を越えたコミュニケーションを促しますが。

その必要性がない場所で実施することは、かえってコミュニケーションを阻害する要因ともなってしまうのです。

 

 

 

ケース3:参加型のプロセスを装い、参加者を決まった結論へ誘導したい場合

 

 

 

 


組織やプロジェクトの状況に応じて「参加者のモチベーションをあげて、うまく結論に誘導したい」「会議の結論を自分の意図どおりにコントロールしたい」という目的で、グラフィックを活用したいというご相談をいただくこともありますが、お断りをしています。

 

もちろん、ファシリテーターと連携し、グラフィックを描く手法を応用すれば、結論のようなものを強制的につくることは可能です。

しかし、そうして用いられたグラフィックが、その場に参加している人たちのためになることはまずありません。その一瞬はよくとも、後日に参加者間での大きなしこりや不信感が残る状況を生み出すことに繋がってしまうからです。

 

グラフィックレコーディングは参加者の思考・気持ち・コミュニケーションを促すための手法のため、想定していない結論やトピックも、どんどん現れてきます。

依頼者の方の望む方向と、正反対の意見もでることもしばしばです。

そうした多様な声がきこえてくる場こそ、グラフィックレコーディングを活用する場だと私達は考えています。

 

※参加型のふりをした誘導的なグラフィック活用は組織にとって逆効果ですが。上意下達でのグラフィック活用については、有用な使い方ができると私たちは考えています。
例えば、社長や役職者の持つ漠然としたイメージを可視化し、ビジョンとして組織内に伝え、浸透させていきたい時。ビジョンが見える形で提示できるため、組織を導く大きなパワーとなります。

 

 

ケース4:グラフィック導入の目的が明確ではない場合

 

 

 

「なぜ、この場において、グラフィックを描くのか?」という利用目的が明確になっていない場合、「何か後ろで描いていた人がいたけど、なんだったんだろう?」という事態に陥ってしまいます。

ともすれば「のぞまない形で記録をされている!」「意味のないことをやっている・・・」と参加者の人が感じ、場全体に不信感を与えてしまうこともあるのです。

そのような不信感をうみだすことは、私たちの本意ではありません。

 

 

効果的な場づくりのために

グラフィックレコーディングは、どんなに困難な課題も一気に解決できるような銀の弾丸ではありません。

必要なタイミングで、必要な手法で利用していくことでこそ、効果を発揮するのです。
 

議論なのか、対話なのか、アイディア創発なのか、エンパワーメント&記録なのか。

場に参加する人とどう相互に共有していくのか。

BRUSHでは必ずお打合せの際、ご依頼くださる方の目的を伺い、相互にすりあわせたうえで、最適な視覚化メソッドを提案しています。

「描かない」というのも、選択肢の一つなのです。

「自分の組織やイベントで実践してみたいけど、逆効果にならないかな?大丈夫かな?」と気になった方は、お気軽にお問い合わせください!
BRUSH お問い合わせ  ⇒ https://www.brush-go.com/contact


 

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